阪神電鉄バス 宝塚甲子園線
(宝塚〜宝塚市立病院前〜宝塚安倉団地〜阪神甲子園〜鳴尾浜)
宝塚から阪神甲子園・鳴尾浜へ結ぶ路線。かつては臨時不定期路線だった。

【路線概要】
始発の宝塚では尼崎方面ゆきとは別の1番のりばから発車。 宝塚甲子園線のバスの行き先方向幕はグリーン地に白抜き文字で表示され、 他の路線(野田宝塚線)とは経由地・行き先が違うことを明確にしている。
宝塚を出たバスは、野田宝塚線と同じように、歌劇場前、鶴の荘と走るが、 小浜バス停では尼崎方面ゆきとは異なり、尼崎方面へ行くバス停の手前50mにあるバス停から 国道176号線の側道を抜けていく。 また、逆方向の阪神甲子園発宝塚ゆきのバスは小浜停留所には止まらないので要注意。 これは国道176号線から小浜への側道が休日や夕方を中心に常に渋滞しているため、 定時運行のための苦肉の策のようである。
小浜を出ると宝塚インターに近い、宝塚市立病院前に到着。 この停留所のすぐ近くには中国ハイウェイバスの宝塚インターバスストップもあって、 宝塚市立病院前バス停で乗り換えることにより、津山や三次など、 中国地方へ向かう高速バスを利用することができる。
国道176号線の安倉中交差点でバスは右折し、安倉団地へと向かう。 安倉団地付近は、かつては田園地帯だったが、昭和50年頃からいくつかの開発業者が造成・分譲し、 急速に都市化が進んだ地域で、バスが走るこの道路も昭和55年頃に開通した。
金井町バス停を過ぎ、バスは再び尼宝線に合流する。 西大島で国道2号線に入るが、この宝塚甲子園線のバスは尼崎方面とは反対方向の西へ右折する。
武庫大橋を渡って、西宮市内に入るとすぐ、市道小曽根線へ左折していく。 そして阪神甲子園に到着。 また、朝に2便、午後(夕方近く)に2便の合わせて4便が、阪神甲子園から、 さらに甲子園八番町、鳴尾東小学校前、武庫川団地中央を経由して鳴尾浜方面へ伸びている。 (鳴尾浜方面から宝塚ゆきは朝1便と、午後2便の計3便) 武庫之荘地区から通う武庫川学院付属高校の女生徒が数名利用している程度で、 時間的にも通勤客輸送より、数名の通学客のためのバスと言った感じ。 この通学客を除けば、阪神甲子園以遠へ直通する乗客は少ないようである。 ちなみに鳴尾浜へ向かったバスは、鳴尾浜1丁目バス停を過ぎると、 行き先を「宝塚」に変更し(ただし朝の1便を除く)、 そのまま鳴尾浜地区を循環して再び阪神甲子園方面へと戻っていく。
宝塚から阪神甲子園までの所要時間は約46分、宝塚から鳴尾浜へは、阪神甲子園での時間調整もあって、 宝塚から鳴尾浜中央まで、およそ70分。 宝塚から阪神甲子園までの走行距離は15.8Km、鳴尾浜へは20Km強の距離である。




【運行状況】

運行本数は1時間におよそ1本で、朝から夕方までの昼間中心の運転ダイヤで、 早朝・夜間には運転されていない。
区間運転として、宝塚安倉団地−阪神甲子園間の便もある。
朝・夕には、宝塚−安倉団地−宝塚への循環路線が運行されるが、 こちらは野田宝塚線の区間運転路線として含まれている。 この路線も野田宝塚線と同様、尼宝線での渋滞でダイヤが乱れやすい路線であるが、 ダイヤが乱れても臨時便を出すことはほとんどない。
相当な遅れが出た場合、夕方の便で阪神甲子園から昆陽里への臨時便を出す場合がある。
運転本数を見てもわかるように、全体的に利用客は少ないが、 甲子園から宝塚まで、鉄道(阪神・阪急)を利用して行った場合、 2度の乗り換えを従うことと、時間は多少かかっても、乗り換え無しでバスのほうが運賃が 安いこともあって(電車利用なら360円、バスは250円)、直通客の割合は多いようである。
運行本数・運行区間などは、路線開設以来、変化はない。
ちなみにこの路線の最終は甲子園で18時台であるが、 甲子園球場でのタイガース公式戦ナイトゲーム時には、西大島乗り換えで武庫之荘、 昆陽里方面へと帰宅する観客も多い。
その場合、西大島で打ち切った運賃を支払うことになり高くついてしまうのである。 野球(ナイトゲーム)開催時には試合終了に合わせ、せめて甲子園から昆陽里までの臨時便を 出すことも考慮してもらいたいものである。

【宝塚甲子園線の歴史】

阪神甲子園球場で開催される全国高等学校野球選手権大会の期間中に 阪神甲子園−昆陽里間で臨時バスが運転されるようになったのが昭和50年頃で、 毎年、春と夏の大会期間中、朝から夕方にかけて、およそ40分間隔程度のダイヤで 運転されていたのが始まり。その当時は、阪神甲子園を出ると、現在の旧国道には通らず、 甲子園筋を北上して上甲子園まで無停車、以後、武庫大橋、西大島と停車し、西大島から 尼宝線に入って昆陽里までの運転であった。 昭和52年から、甲子園筋経由を旧国道・小曽根線経由に変更し、その沿線の停留所にも停車する 「各停便」となって現在のルートに近くなっている。
一方、昭和57年には、宝塚から宝塚安倉団地を経て昆陽里へ至る、 野田宝塚線の安倉団地経由便が開設された。
この宝塚安倉団地路線は、周辺の都市化により人口が急増し、 地域の中央に都市計画道路ができたものの肝心のバスが走らず、 自治会などが阪神電鉄、阪急バス、伊丹市交通局の3者に対して路線開設の要望をしてきており、 最初に阪神電鉄バスがそれに応じたのである。 (阪急バスは数年後に阪急逆瀬川−中野住宅前間にて路線開設、 伊丹市交通局の路線は実現しなかった)
また同時に、昭和57年から野球臨時バスも昆陽里から安倉団地発着に延長されている。
昭和60年には宝塚市立病院の開院に合わせて宝塚市立病院前経由の便も開設された。 それと同時に、従来、高校野球大会期間中のみ臨時運行していた阪神甲子園−安倉団地間の路線が 定期運行化され、宝塚−宝塚市立病院−安倉団地−阪神甲子園−鳴尾浜の「宝塚甲子園線」が開設されている。
この定期運行化に関しては、以前から尼崎市武庫之荘地区の住民からの要望があり、 それに応じたものであった。



【運転本数】
運転区間運転本数
平日土曜日休日
宝塚〜宝塚安倉団地〜宝塚
阪神甲子園〜宝塚往路 8
復路 9
往路 8
復路 9
往路12
復路14
鳴尾浜〜宝塚往路 3
復路 3
往路 3
復路 3
往路 0
復路 0
阪神甲子園〜宝塚安倉団地往路 3
復路 1
往路 3
復路 1
往路 2
復路 0
鳴尾浜〜宝塚安倉団地往路 0
復路 1
往路 0
復路 1
往路 0
復路 0
【運賃表】
宝 塚
 210小浜・宝塚市立病院前
 210 210西 野
 230 210 210武庫の郷
 230 230 210 210西大島
 250 230 230 210 210小曽根1丁目
 250 250 230 230 210 210阪神甲子園
 270 250 250 230 230 210 210鳴尾浜  


データはいずれも1999年2月現在。

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