兵庫県内ゆかりの
NHK銀河テレビ小説
・・・兵庫県内が舞台になった銀河テレビ小説・・・
■ 現代夫婦考  (1982年放送)
主演・・・・フランキー堺、中村玉緒、三林京子、浅野ゆう子、三ツ木清隆

大阪の新聞社で、定年間近の、かつては花形の記者(フランキー堺)は、窓際族として家庭と職場を往復する毎日。 そんなある日、東京からやってきた新しい部長の目にとまって、新部長の推薦によって副部長としての 職を与えられ、窓際族としての生活から脱却し、毎日が華々しくなります。 しかし、そんな日も長くは続かず、部長の転勤によって再び、窓際族に戻ってしまうのでした。
このドラマでは、フランキー堺の自宅は伊丹市にあるという設定になり、 また、フランキー堺の妻役の中村玉緒と、フランキー堺の妹役・三林京子の二人が、 尼崎の塚口で、喫茶店を開くということになってました。
浅野ゆう子は、フランキー&中村の長女役で出ていましたが、 新聞記者で、フランキー堺の部下である三ツ木清隆と結婚することになります。 その三ツ木清隆の東京転勤に従い、浅野ゆう子も東京へと旅立つのですが、 その送迎のシーンは阪急新伊丹駅で、それも伊丹行きの下り電車に乗って行ってしまいました〜。

■ 女の日時計  (1982年放送)
主演・・・・関根恵子(高橋恵子)、清水健太郎、山本亘

伊丹の造り酒屋の嫁であり、若社長夫人の高橋恵子(当時は関根恵子)の前に、 若い男性(清水健太郎)が現れ、次第に心を惹かれていくという、ちょっと不倫を匂わすドラマ。

■ かぐわしき日々の歌  (1982年放送)
主演・・・・藤谷美和子、江波杏子、中村嘉葎雄、安藤一夫

相生を舞台にしたドラマで藤谷美和子が主人公。
相生の造船所につとめる父(中村嘉葎雄)と、継母(江波杏子)と3人で暮らしていたところに、 継母が高知に残してきた子供(安藤一夫)が相生へやって来て同居することに。 しかし、周囲にさまざまな問題が起こってきます…。

■ 悲しみだけが夢を見る  (1988年放送)
主演・・・・富田靖子、有森也実、田村高廣、淡島千景、柴俊夫、高嶋政宏

高校卒業後、家出したまま行方不明だった宝塚の旅館・水月楼の一人娘である 「角谷知美(富田靖子)」が、東京浅草のストリップ劇場でダンサーをしていたことがわかり、 知美の母で水月楼の女将(淡島千景)は、板前の「ヨシさん」こと「由克(柴俊夫)」に頼み、 知美を宝塚へ連れ戻すところから物語が始まります。
水月楼の女将で、知美の母(淡島千景)は宝塚歌劇団出身で旅館に嫁いだ女性でした。 その娘である知美も周囲から宝塚を受験すると思われていたのです。 しかし結果、宝塚音楽学校を合格したのは親友の伸子(有森也実)で、知美は不合格。 親の期待に応えられなかった知美は居たたまれなくなり、家出してしまったのでした。
宝塚へ戻って来た知美は、水月楼で雑用のバイトを始めます。 家出してストリッパーをしていたということで知美を見る周囲の目はとても冷たく、 知美は孤独感、悲しみに打ちひしがれる毎日。 そんな知美の心の支えになっていたのは、親友の伸子(有森也実)と板前の「ヨシさん」こと由克(柴俊夫)でした。 知美は、一見冷たいながらも陰で支えてくれる板前の由克に好意を抱くようになります。
ある日、東京から池上弘(高嶋政宏)という学生が、別れた恋人・中村伸子を追って 宝塚・山本の園芸店・春陽園へやって来て一騒動が起きます。 しかし弘が探している中村伸子と、実物の中村伸子とは別人だとわかり、 弘は途方に暮れ、思い立ったように宝塚へやって来て水月楼に宿泊。 その夜は芸者を呼んでのドンチャン騒ぎ。
翌朝、代金の13万円が払えず警察に突き出されそうになるものの、 住み込みの雑用で働き、代金を返済すると申し出て、女将の好意で弘は旅館水月楼で働くことになります。 そこで知美と弘がバッタリ顔を合わしてまた一騒動。 実は、弘の元恋人というのが知美で、知美は弘に「中村伸子」という偽名を使っていたのでした。 それが伸子本人にもばれてしまいます。
数日後、交番の警察官が水月楼に、傷害致死の脱獄犯として長崎県警から 指名手配されている犯人の手配書を持ち込んできました。 それを見た女将はその手配写真が板前の由克とそっくりだったことでハッとし、 周囲の目を気にしながらその手配書を丸めてくず入れに捨ててしまいます。 それを陰から見ていた知美はくず入から手配書を取り出し、この手配写真が由克であると確信します。 実は由克は、長崎に残した妻子のことが気がかりで刑務所を脱獄し、 各地を転々として働き、給料の大半を長崎・島原の妻に送金していたのでした。
一方の中村家では、伸子の兄で、長崎県警で警察官僚としての道を歩む哲夫(矢島健一)が 久々に宝塚へ帰省してきました。 哲夫が水月楼へ挨拶に行った時に見かけた由克のことが気になり、長崎に戻った哲夫は 板前の由克が長崎県警から手配されている脱獄犯「佐藤竜二」だと気づきます。
数日後、客に扮した長崎県警の刑事が水月楼を訪れ、 何気なく警察の手が近づいていると感じた女将と知美は、お互いでそれとなく 由克を逃そうとしますが、由克本人も追手が近いことを知り、逃げることを あきらめます。
由克との駆け落ちを企てた知美は、清荒神駅で由克の来るのを待つものの、 そこへやってきたのは伸子でした。「ヨシさんは来ないよ…」
その伸子の一言で、知美の目から涙がこぼれ落ちます。
ある日、伸子は家の物置から古いアルバムと手紙を発見。 これは伸子の父・康太郎(田村高廣)が若い頃に集めていたタカラジェンヌ・ 春日ともえのブロマイドと、 春日ともえから康太郎に宛てた別れの手紙でした。 この春日ともえこそが知美の母、水月楼の女将・輝子なのです。 知美と伸子は、知美の母・輝子と伸子の父・康太郎との間にあった 若き日のラブロマンスを知るのでした。

悲しみだけが夢を見るってタイトルは、悲しみを忘れてはいけない、 悲しみさえ忘れなかったら人間はいつまでも美しい夢の中で生きていける。 人は悲しいからこそ夢を見る・・・・っていう、 脚本の市川森一氏の言葉がそのままドラマに生かされてます。
オープニングのタイトルバックに出てくる武庫川や宝塚の温泉街の空撮など、 とてもいいドラマに仕上がっていました。ストーリーもよかったのですが、 9時40分から始まる銀河テレビ小説で、しかもNHKによくあるニュースの延長などで 放送開始時間が毎日コロコロ変わっていたせいもあって視聴率が極端に低かったそうです。 実際、宝塚が舞台になっていながら、宝塚近辺に住む人でも、 このドラマを見たことあるという人も少なかったのでした…。